てんかんinfo

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てんかんとは

小児てんかんの治療

1)抗てんかん薬による治療

小児てんかんも基本的には抗てんかん薬による治療が基本です。使用される抗てんかん薬も発作型である程度決まっています(「発作型別の抗てんかん薬の選択」参照)が、小児の欠神発作にはバルプロ酸あるいはエトサクシミドが使われます。
一般に小児は体内で薬が分解され排泄される速度が早く、成人よりも多めの量が必要とされます。また、成長に伴って身長や体重が増えていくため、体重や血中濃度を定期的に測定しながら、薬の量を調節する必要があります。抗てんかん薬を増やした後でも、予測していたよりも血中濃度が低すぎたり高すぎたりする可能性があり、血中濃度を測定する必要があります。また、てんかんの治療に使われる薬には、同じ成分でも、錠剤、散剤、シロップ剤、ドライシロップ剤など、異なる剤形が用意されていることがあり、子どもでも飲みやすい薬の形を選ぶことができます。
また、風邪薬などと一緒に飲むと血中濃度が変化する場合もあり、血中濃度が上がると副作用が出やすくなり、血中濃度が下がると発作が起こりやすくなる可能性もあり、他の薬を飲むときには医師等に相談することが大切です(「薬の飲み合わせに注意が必要」参照)。

2)副作用への対処

抗てんかん薬を服用している間は、副作用の発現に注意を配ることが大切ですが、副作用を避ける意味でも血液検査などの一般検査や血中濃度測定を定期的に受けることが必要です(「抗てんかん薬の主な副作用」参照)。

小児てんかんにおける抗てんかん薬の主な副作用

治療開始後2~3週間でみられるもの発疹などの過敏症
長期間飲んでいるとみられるもの葉酸や骨のミネラル代謝の障害
薬に特有なものフェニトインによる歯肉肥厚、バルプロ酸による肝障害、膵炎など

3)その他の治療

(1)てんかん外科手術

抗てんかん薬2~3種類以上を単独あるいは一緒に飲み、十分な血中濃度が得られても長い間発作の回数が多く止まらない場合、手術が考慮されます。また、発作がおさまらず、精神発達が障害されたり、異常な行動がある場合で手術によって発作が消失すると、これらの状態は改善することが知られており、早期の外科手術で発作を抑えることが勧められています。ただし、遺伝子異常による症候性てんかんや進行性疾患(運動機能が進行的に障害される筋ジストロフィーなどの病気)による症候性てんかんは手術の対象になりません(「外科手術」参照)。

(2)ケトン食療法

ケトン食療法は糖などの炭水化物を減らして脂肪を増やす食事で、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られることで効果を発揮します。米やパンなどを減らして、砂糖を使わず、卵、豆腐、肉、魚を中心に食用油を添加した食事を続けます。バランスの偏った食事になるため、医師と栄養士の指導が必要になります。ケトン食療法は、主に小児が対象で、レンノックス・ガストー症候やミオクロニー失立発作てんかんなどに有効とされていますが、その他の発作型にも効く可能性があります。効果がみられるまで最低1ヵ月は続け、そこで効果の判断をし、必要とした場合には微調整しながら2年程度続けます。副作用として、元気がなくなったり、嘔吐、下痢、便秘がみられます。長期的には、低身長、体重増加不良、腎結石に加えて、微量元素欠乏による心不全などが発現することもありますので医師等の指導が重要です。総合ビタミン、ビタミンC、カルニチン、微量元素をサプリとして使用する場合があります。詳細は、ケトン食普及会のホームページをご覧ください。
http://www2.ocn.ne.jp/~ketodiet/

(3)ACTH療法

ACTHは脳下垂体ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)で、昔からウエスト症候群や一部の症候性全般てんかんに対して筋肉注射がよく効くとして用いられています。特にACTH療法はウエスト症候群の治療に最も有効とされ、発症後出来るだけ早く使用すべきと考えられています。ただし、現状では最適な使用方法が確立していないため、副作用を軽減するために、可能な限り少ない量で短期間の投与が勧めされています。