てんかんinfo

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診断と治療

その他の注意

(1)血中濃度測定について

血中濃度測定は、飲んだ薬がどの程度体内(血液中)に入ったかを調べるものです。人は同じ薬を飲んでも、体の大きさ(体重など)や年齢、性別、薬の飲み方(回数や量など)などで薬が腸から血液に入る量(吸収)が変わってきます。そして、吸収された後も、分布(薬が体の隅々にいきわたること)、代謝(薬が化学的に分解などを受けること)、排泄(体内から尿や便などを通じて体外へ出ていくこと)が人によって違うため、抗てんかん薬の血中濃度は変わってきます。

それぞれの抗てんかん薬は、効果を示す血中濃度と副作用が出やすくなる血中濃度がわかっています。血中濃度測定は、それを目安に投与量を調整することが主な目的で、主に次のような場合に行われます(「抗てんかん薬を飲むときの注意点」参照)。

血中濃度測定をする場合

抗てんかん薬を飲み始めて、最初にてんかん発作が止まったとき てんかん発作の程度を推測するために測定します。
てんかん発作がおさまらないとき 抗てんかん薬が吸収されている状態をみて、十分な血中濃度なのに効いていないのか、十分な血中濃度にならない原因は何か、抗てんかん薬を規則正しく飲んでいるか(コンプライアンス)、などを調べます。
抗てんかん薬を増加・減量した時、あるいは他の薬を追加したとき 抗てんかん薬の飲む量が変わったときや、他の薬を追加して飲み始めたときに血中濃度を測定することがあります。他の薬を追加したときは薬物相互作用を確認します。
副作用と思われる症状が現れたとき 眠気やふらつきなどの副作用と思われる症状がみられたときに、血中濃度が高すぎていないかを確認します。
定期検査のとき 年に1~2回は定期的に検査を行い、てんかん発作がどの程度の薬の濃度で抑えられているかを確認します。また、薬を減らすときにも、その都度、血中薬物濃度を測定することで、患者さん個々の薬を減量できる範囲が推測できます。
その他 肝臓や腎臓の病気になったときや妊娠したときなどに、薬の吸収や分布、代謝、排泄などの患者さんの状態が変化していないかを確認します。

(2)てんかん発作が起こりやすくなる薬

患者さんによっては、てんかん以外の疾病を併発している方がおられます。そのような時には、てんかん以外の疾病治療のためのお薬が処方されています。処方されているお薬によっては、てんかんを悪化させる下表のような薬があります。 もし、そのようなお薬を他の先生から処方されている場合は、てんかんを診て頂いている医師に伝えることが重要です。

てんかんが起こりやすくなる薬

  • アルコール
  • 抗うつ薬:うつ病に使用する薬
  • 抗精神病薬:統合失調症などに使用する薬
  • 気管支拡張薬:喘息などに使用する気管支を広げる薬
  • 抗菌薬*:細菌の感染時に使用する薬の一部。また、一部の抗菌薬と痛み止めを同時に飲んだ時
  • 局所麻酔薬*:麻酔をするときに使用する薬
  • 抗腫瘍薬*:がんに使用する薬
  • 筋弛緩薬:筋肉の緊張をほぐすときに使用する薬
  • 抗ヒスタミン薬*:湿疹や花粉症などアレルギーのときに使用する薬

参考:てんかん治療ガイドライン2010

*一部の薬がてんかんを起こしやすくするのであって、すべてではありません。

「服薬コンプライアンス」ってなに?

しばらく発作が止まっていたり、副作用を心配するあまり、患者さん自身やご家族の判断で薬を飲まなかったり、回数を減らしたりして、てんかんの症状を悪化させてしまうことが知られています。患者さんが医師の処方どおりに服薬することを「コンプライアンス(服薬遵守)が良好である」といいます。
最近では、単に処方で定められたように薬を服用するコンプライアンスよりも、患者さん自身が十分納得して治療のために積極的に薬を服用する「アドヒアランス」という言葉が使用され、治療が医師からの一方的なものではなく、患者さんと協力して行われるという考え方が定着しつつあります。
薬は納得したうえで指示されたとおりに飲み、副作用が心配なときは主治医に相談してください。