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診断と治療

外科手術

最近は手術が可能な患者さんには積極的に脳の手術をするようになってきました。

手術が行われるのはどのようなてんかんですか?

以下の5つのてんかんは外科手術可能なてんかんとして、推薦されています。

外科手術が可能なてんかん

  • 内側側頭葉てんかん
  • 器質病変が検出された部分てんかん
  • 器質病変を認めない部分てんかん
  • 片側半球の広範な病変による部分てんかん
  • 失立発作をもつ難治てんかん

参考:てんかん治療ガイドライン2010

どのような場合に手術をしますか?

以下の条件が満たされた場合に手術治療が行われる可能性があります。

  • 発作を起こす場所が脳の一部であることが明らかな場合
  • 抗てんかん薬をどのように工夫しても発作が止まらない場合
  • 発作の種類、あるいは発作回数が多いために生活が大きく障害される場合
  • 発作が起こるようになってから3~4年経っても改善する方向にない場合
  • 患者さんの全身状態が良好で手術をしても健康に支障がないと判断される場合
  • 手術をする脳の部分が言葉の障害や手足の麻痺などの後遺症を起こす心配がない場合
  • 手術のための検査や手術後の治療に協力的で手術をすることに同意している場合

手術を受ける前にどのような検査をしますか?

一般的な検査、通常の脳波や時に長時間記録ビデオ脳波モニター検査、可能であれば脳磁図などを検査し、発作が起こる部分(焦点)が脳の一部だけにあることや発作の状態を調べます。また、脳の画像診断として、CTやMRIならびにSPECTやPETによる検査、知能検査、記憶検査などを行います。
これらの検査により手術が可能と判断した場合には、次のステップとして頭蓋内電極による脳波検査*で焦点をより精密かつ厳密に決定し、長時間記録ビデオ脳波モニター検査で症状との関係を調べ、さらに手術による言葉や記憶への影響を確認します。

*頭蓋内電極による脳波検査:一般の脳波よりも脳内の電気の流れを正確に測定できます。脳を覆っている硬膜という脳の膜の上に直接電源を置いて脳波を測定する「硬膜下記録法」と脳内に直接電極を刺して脳の深い部分の脳波を記録する「深部脳波記録」の二つの方法があります。

外科手術治療にはどのような方法がありますか?

代表的な手術として、以下のような方法があります。

(1)皮質焦点切除術:
一部に限られている焦点に対して、その大脳の皮質部分を切り取る方法です。発作の波の起こり方や広がり方によって切り取る範囲が変わることがあります。側頭葉手術が代表的です。
(2)多葉切除術:
発作を起こす部分が側頭葉だけでなく前頭葉などほかの部分(葉)に広がっている場合、複数の葉を切除する方法です。
(3)半球切除術:
大脳の片側半分にわたる広い障害がある場合に行われる手術です。
(4)脳梁切除術:
脳梁は左右の大脳半球をつないでいる神経線維の束ですが、脱力発作、失立発作、レノックス・ガストー症候群や両側の前頭葉てんかんなどで行われる手術で、脳の一部を切り取るのではなく、発作の波が伝わるのを防ぐ手術です。

ただし、手術によって発作が消失するのはおよそ半分の患者さんです。あとの患者さんは発作の減少や抗てんかん薬による発作のコントロールが良くなり、生活の質は向上します。