抗てんかん薬や外科手術治療以外にも、様々な治療法があります。

1)迷走神経刺激療法

薬剤抵抗性てんかんの補助治療として、迷走神経刺激療法があります。この治療法は電気刺激を出す小さな器機を体に埋め込んで、迷走神経(第10番目の脳神経で、内臓や運動神経を司っています)を毎日、一定の間隔で刺激することにより、てんかん発作の回数を減らしたり、発作の程度を軽くする療法です。

2)ケトン食療法

糖や炭水化物を減らして脂肪を増やした食事を摂ることで、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られることで効果を発揮します。ケトン食療法では、高脂肪・低炭水化物食を続けることで、約半数の患者さんで発作頻度が半減するといわれています。

米やパンなどを減らして、砂糖を使わず、卵、豆腐、肉、魚を中心に食用油を添加した食事を続けます。バランスの偏った食事になるため、医師と栄養士の指導が必要になります。ケトン食療法は、主に小児が対象で、レノックス・ガストー症候群ミオクロニー脱力発作てんかんなどに有効とされていますが、その他の発作型にも効く可能性があります。効果がみられるまで最低1ヵ月は続け、そこで効果の判断をし、必要とした場合には微調整しながら2年程度続けます。

副作用として、元気がなくなったり、嘔吐、下痢、便秘がみられます。長期的には、低身長、体重増加不良、腎結石に加えて、微量元素欠乏による心不全などが発現することもありますので医師等の指導が重要です。総合ビタミン、ビタミンC、カルニチン、微量元素をサプリとして使用する場合があります。詳細は、ケトン食普及会のホームページをご覧ください。

関連サイト
ケトン食普及会

3)ACTH療法

ACTHは脳下垂体ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)で、昔からウエスト症候群や一部の発作の原因が明らかである全般てんかん(症候性全般てんかん)に対して筋肉注射がよく効くとして用いられています。特にACTH療法はウエスト症候群の治療に最も有効とされ、発症後できるだけ早く使用すべきと考えられています。ただし、現状では最適な使用方法が確立していないため、副作用を軽減するために、可能な限り少ない量で短期間の投与が勧められています。

注射を打たれる幼児

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