Q.

妊娠・出産を希望しています。今の治療についてはどうすればよいですか?

A.

妊娠前に主治医と相談して適切な治療を検討しましょう

妊娠のご希望は早めに主治医に伝え、妊娠に際してどのような注意が必要か相談して、治療薬の調整などを含めた計画的妊娠を心がけましょう。

  1. 妊娠前に、主治医やご家族と十分な相談を
    発作の回数や程度、妊娠中・出産後の家事や育児の負担、ご家族の援助がどの程度期待できるかなど、パートナーやご家族の方と十分に相談しておくことが大切です。
  2. 妊娠前の薬の調整と発作の抑制
    どのお薬でも胎児に奇形を生じる可能性を完全に否定することはできません。また、お薬は妊娠初期の早い段階で胎児に影響します。一方、妊娠中の全身痙攣や転倒するようなてんかん発作は胎児を危険にさらす可能性があります。このため、妊娠の可能性が生じる前に今のお薬で安全に妊娠・出産ができるかどうか主治医と相談しておきましょう。具体的には胎児への影響の少ない薬を選び、てんかん発作を十分抑えられる量に調整していくことが最も大切です。妊娠中に発作の回数は変化しないことが多いですが、睡眠不足や循環血液量が増えることにより、薬の血中濃度が低くなって発作が増えることがありますので、薬の量は主治医の指示に従ってください。
  3. 葉酸の補充を行う
    葉酸は奇形の発生率減少や精神発達に良い影響を及ぼすという報告もあり、少なくとも妊娠1ヶ月以上前や妊娠中を通じて、葉酸を0.4~0.6mg/日程度補充することが奨められています。

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よくあるご質問監修

大阪大学大学院 連合小児発達学研究科 教授 下野 九理子 先生