キャリアアドバイザーにインタビュー
みんなでつくる
「働きやすい環境」
「障害者雇用を成功させる。そして、その先へ。」をミッションに掲げ、障害のある方の就職や就労を支援しているパーソルダイバース株式会社。今回は、パーソルダイバース株式会社のキャリアアドバイザーのお二方に、てんかんのある方の雇用を考える際に知ってほしいこと、一緒に働くみなさまに知ってほしいことをお聞きしました。
てんかんのある方の雇用、一緒に働くときに知っておいてほしいポイント
- てんかんの症状はさまざま。一緒に働く方の症状や対応方法を知ることが大切。病気のことだけでなく、その方の性格や得意なことも。
- 「相談しやすい」は誰にとっても必要。
- お互いに一歩ずつ。
一緒に知り、一緒につくる「一緒に働く環境」
―てんかんの症状はさまざま。その方の症状や対応方法を知ることが大切
まず、みなさんに知ってほしいのは、てんかんにはさまざまな症状があるということです。「倒れて、けいれんする」というイメージがあるかもしれませんが、手を動かす発作や光や物が見えるといった発作もあります。その方の症状や発作の特徴を知っていただきたいと思います。
発作時の対応方法もさまざまです。発作は数分でおさまることが多く、救急車を呼ぶ必要はありません。発作が長く続く場合など、救急車を呼ぶ必要があることもありますが、緊急の対応が必要な症状などについては、ご本人が把握していらっしゃいます。また、発作が起こらないように日頃からご自身で行っている工夫もあります。症状や発作時の対応について、てんかんのある方と一緒に働く方たちで理解を深めていただけるといいな、と思います。
私たちキャリアアドバイザーが入社前に会社に伺ってオリエンテーションをすると、一緒に働く方たちからたくさんの質問をいただきます。業務量や指示の仕方だけでなく、「飲み会に誘ってもいいかな」などの質問をされることもあります。キャリアアドバイザーなどを介さず雇用される場合は、てんかんのある方と一緒に働く方たちが、症状のことや仕事のこと、困りごとや飲み会のお誘いなど、色々なことを話せる雰囲気をつくってほしいと思います。
病気や症状のことだけでなく、性格や得意なことなどもお互いに知り、働く環境を一緒につくっていってほしいと思います。
―ホッと一息、休憩室
てんかんのある方は、疲れなどから発作が起こることがあります。また、発作後に気持ちが悪くなったり、頭が痛くなったりする方もいます。会社にホッと一息つける休憩室などがあると安心につながります。根を詰めて仕事をすると、誰しも疲れたり、ストレスがたまったりするもの。ホッと一息つける空間は、みなさんにとって必要かと思います。
さらに、てんかんのある方が安心して働くためには、発作が事故につながらないことが重要です。高いところや落下の危険があるような場所での作業は避けたほうがよいと思います。一人きりにならない環境も、安心につながるでしょう。
「話しやすい」は「相談しやすい」、「相談しやすい」は「働きやすい」
―お互いに「話しやすい」雰囲気を
―お互いに「話しやすい」雰囲気を
日常的に相談しやすい空気が流れている職場、そんな職場は誰にとっても働きやすいと思いませんか?
コミュニケーションが不足したり、連携がないと、ギクシャクしたり、雰囲気が悪いと感じるかもしれません。「話しやすい空気をつくる」ということを頭の片隅においていただけると、風通しのよい職場をつくることにつながると思います。
これは、てんかんのある方も同じ。部署移動などで、てんかんのことを知らない方と一緒に働くことになったときなどは、てんかんのことは知っているのかな?どう言ったら伝わるかな?などを考えて話していただくと、お互いの理解を深めるきっかけになると思います。
―誰にでもある、ついつい頑張りすぎてしまうこと
「まわりの期待に応えたい!頑張りたい!」、そう思って、ついつい頑張りすぎてしまうことがあると思います。てんかんのある方にとってもそうでない方にとっても、働きすぎは体調を崩す原因になります。残業が多くなってるな、頑張りすぎてるな、など、気付いたときは、みなさんで声をかけあったり、相談できる環境だと、みなさんにとって働きやすい環境になるのではないかと思います。
また、仕事内容が明確だったり、指示がはっきりしていることも、仕事のしやすさや残業を減らすことにつながるのではないでしょうか。
私たちは信じています、誰もが笑顔で働く社会 ―message for you―
―雇用を考えている企業の方、一緒に働くみなさまへ ~病気のイメージではなく、その方を知ってほしい~
「てんかん」は100人に1人の割合で発症する、身近な病気です。そのため、「てんかん」という名前はよく知られているものの、いまだ、偏見や誤解があるように感じます。多くの場合、発作の時間は数分と短く、また、症状も人それぞれです。「てんかん」のイメージではなく、その方の症状や生活への影響、性格や得意なことなど、個人のさまざまな面を知って、お互いに楽しく働ける環境をともにつくってほしいと思います。
―てんかんのある方へ ~ご自身の「働きやすさ」とは~
どんな環境だと働きやすいと思いますか?ご自身の得意なこと、苦手なこと、発作がでないようにするために会社に求めることなど、色々と思い浮かべてみてください。
病気を会社に伝えるかどうか、どこまで伝えるか、誰に伝えるかは、自由です。
「働きやすい」、「長く働ける」、「体に負担がかからない」、「将来の夢」など、さまざまなことを考えて、笑顔で働けるよう、会社や一緒に働く方たちとともに働きやすい環境をつくっていってください。
パーソルダイバース株式会社
障害者雇用を成功させる。
そして、その先へ。
一人ひとりの「はたらくよろこび」を大切にし、これまでも、これからも、たくさんの人と企業が、「よろこび」と「可能性」に出会えるように
パーソルグループの特例子会社。障害のある方に向けた転職・就職サービスや就労移行支援事業、障害者雇用に取り組む法人企業への人材紹介や雇用支援コンサルティングなどを行っている。
取材日:2023年3月24日