採用候補者、被雇用者への配慮について
2016年に施行された障害者雇用促進法により、事業主に対して、障害者に対する「合理的配慮の提供」が義務付けられました。障害者雇用における「合理的配慮」とは、障害者と障害者でない方との均等な機会や待遇を確保し、障害者が有効に能力を発揮することができない原因となっている事情を改善するために必要な措置をとることをいいます。
募集および採用の段階で求められる合理的配慮
募集および採用の段階では、障害者と障害者でない方との均等な機会を確保するための措置が求められます。どのような合理的配慮を提供するかは、当該者と事業主の間で話し合うことが重要です。
採用後に求められる合理的配慮
採用後は、障害者と障害のない方の均等な待遇の確保、または、障害者が能力を有効に発揮するために支障となっている事情を改善するための措置が求められます。雇用している労働者の障害の特性に配慮して、職務を円滑に進めるために必要な施設の整備、援助するものの配置、その他必要な措置を講じます。
採用後の合理的配慮のための手順
- ①必要な配慮の把握、確認
- ②必要な配慮に関する話し合い
- ③合理的配慮の決定
- ④職場内での意識啓発・説明および改善
措置の例
- 指揮系統の混乱を防ぐために、業務指導や相談に関する担当者をあらかじめ決めておく
- 体調に配慮して、通院等の機会を確保する
- プライバシーに配慮したうえで、他の労働者に対して病気についてや必要な配慮等を説明する
職場でのてんかん発作に備える
安全に仕事をしていくためには、事前の話し合いや情報共有が大切です。
職場でのてんかん発作に備えるためにあらかじめ行っておくこと
- どのような発作なのか情報共有する
- 発作症状に応じた環境整備をする
- 発作時にどのような対応をすべきか(しないでもらいたいか)を話し合う
(例:発作時の動画撮影はすべきか否か)
(例:発作時に声掛けをしてほしいか否か) - 発作後の仕事復帰のタイミングについて話し合う
- どのような場合に病院受診すべきか話し合う
谷口豪,
職場でてんかん発作が起こった場合、どのように対応すればよいですか? 国立精神・神経医療センター病院 てんかんセンター 編.
患者のギモンに答える!てんかん診療のための相談サポートQ&A.
p68. 診断と治療社. 2021.