てんかんはどんな病気?

てんかんの発作に出合っても戸惑わないために、子どもたちのこころのケアのために、保護者とのかかわりのために、てんかんについて正しく知ることが大切です。正しい知識を持ち、必要以上に制限することなく、楽しい生活を送れるようにサポートすることが大切です。

小児でよくみられる発作

小児では、強直間代発作、欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作がよくみられます。

小児でよくみられる発作

  • 意識を失ってけいれんが起こる発作(強直間代発作)
  • 動作が急に止まり、ぼんやりする発作(欠神発作)
  • 全身や手足を一瞬ピクッとさせる発作(ミオクロニー発作)
  • 急に全身の力が抜ける発作(脱力発作)

1)意識を失ってけいれんが起こる発作(強直間代発作)

突然意識を失った後、手足をがくがくと曲げ伸ばしするけいれんが起こる発作です。発作がおさまるともうろうとしたり眠ることが多くあります。

意識を失ってけいれんが起こる発作(強直間代発作) 意識を失ってけいれんが起こる発作(強直間代発作)

2)動作が急に止まり、ぼんやりする発作(欠神発作)

急に表情がなくなりぼんやりした目つきになる、まぶたが1秒間に3回程度パチパチする、動作を停止する、反応しなくなるなどの症状が現れる発作です。

動作が急に止まり、ぼんやりする発作(欠神発作)

3)全身や手足を一瞬ピクッとさせる発作(ミオクロニー発作)

手や足、顔や全身が突然、ピクッとする瞬間的な症状が現れる発作です。発作は短時間ですが、連続して起こることがあります。持っているものを落としたり、投げ飛ばすことがあります。

全身や手足を一瞬ピクッとさせる発作(ミオクロニー発作)

4)急に全身の力が抜ける発作(脱力発作)

急に全身の力が抜けることで、尻もちをついたり、崩れるように倒れることのある発作です。発作時間は非常に短いですが、転倒することがあります。

急に全身の力が抜ける発作(脱力発作)

気付かれにくい発作

てんかん発作は、倒れる発作だけではありません。口をモグモグ動かす動作をする、嫌なにおいを感じるなど、脳の一部が興奮して起こる焦点発作もてんかん発作です。
気付かれにくい発作の後に、けいれんを伴う発作に移行する場合があります。

気付かれにくい発作

運動機能の症状
  • 手足や顔がつっぱる
  • ねじれる
  • 腕や足の一部がけいれんする
  • 体全体が片方に引かれる
  • 回転する
  • 手をたたく、もぞもぞ動かす
  • 口をモグモグさせる
  • 唇をなめる

など

感覚器の症状
  • 光が見える
  • 目がかすむ
  • 音・声などが聞こえる
  • 不快なにおいがする
  • 体の一部がチクチクする
  • しびれる

など

自律神経の症状
  • 動悸がする
  • 呼吸数が変化する
  • 汗をかく
  • 皮膚が赤くなる
  • 顔が青くなる
  • 発熱する
  • 寒気がする
  • 頭痛や吐き気がする

など

記憶や感情の症状
  • 以前経験した記憶がよみがえる
  • 恐怖感や幸福感、不安が急に生じる

など

発作が起こりやすい状況や要素

一般的に、てんかん発作は、集中したり緊張しているときには発作は起こりにくく、ほっとしたときやぼんやりしているときのほうが発作が起こりやすいとされています。発作が起こりやすい時間帯や起こりやすい状況は患者さんによりさまざまです。保護者や主治医に発作が起こりやすい時間帯や状況について確認するとよいでしょう。

睡眠不足やストレス、疲労、お薬の飲み忘れなどによっても発作が起こりやすくなります。

発作が起こりやすい状況や要素

発作が起こりやすい状況
  • ほっとしたとき
  • ぼんやりしているとき
  • 寝入りばな
  • 寝起き直後
  • 睡眠中

など

発作を起こしやすくする要素
  • お薬の飲み忘れ
  • ストレス
  • 疲労
  • 睡眠不足

など