てんかんinfo

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てんかんとは

妊娠したら

1)妊娠中の発作回数

妊娠するとてんかんの発作回数が変化することがあります。調査によると、16%の女性で妊娠した後の発作回数が増加したとの報告があります。ただし、その主な原因は抗てんかん薬の不規則な服用や睡眠不足によるものと言われています。医師の指示に従い、きちんと抗てんかん薬を服用し、睡眠不足にならないように気を付けることで発作回数の増加は抑えられると考えられています。

妊娠中の発作回数データ
出典:K Otani. Folia Psychiat Neurol Jpn 39(1):33-41,1985より作図

2)てんかん発作が妊娠及び胎児に与える影響

現在のところ妊娠中にてんかん発作を起こすことと、生まれてくる子供に障害が発現することの間に関連性は認められていません。ただし、発作を繰り返し起こす発作重積状態の場合は胎児の死亡例も報告されています。また妊娠中にてんかん発作を起こすことにより胎児は低酸素状態になると考えられ、そのことにより、切迫流産や切迫早産が起こることがあります。ただし、流産する頻度は1%と言われています。
(兼子直:難治性てんかん患者と妊娠、精神科治療学 8:909-918, 1993)

3)抗てんかん薬による胎児への影響

てんかんの治療に用いられる薬剤のために、生まれてくる子供に障害が発現したり、子供の発育に遅れが生じる可能性が少なからず存在します。特に妊娠初期(体の器官が形成される時)に影響が見られることがあります。
胎児に生じる障害(異常)には以下のようなものがあります。

  • 髄膜脊髄瘤 (二分脊椎を含む)→中枢神経系の異常
  • 心室中隔欠損→心臓血管の異常
  • 口唇口蓋裂→くちびるやその骨格に見られる異常
  • 泌尿生殖器系の異常

先天性の障害を恐れて抗てんかん薬の服用を中止することを考える人もいますが、薬を飲まなければ、妊娠中にてんかん発作が現れたり、発作回数が増加する結果となり、時には流産することもあります。現在では、妊娠初期の薬の量を調整したり、胎児に障害の現れる割合をできる限り減らすことのできる薬剤の使用が可能になってきましたので、必ず主治医と相談して下さい。

4)妊娠中の薬の服用

妊娠から出産にかけて一番大事なことは、発作を起こさないようにすることです。胎児のことを思って、発作を起こさなければ、少しでも薬の影響を減らしたいと思い、処方された抗てんかん薬を減量したり、自己判断で止めることは妊娠に大きな危険を伴います。発作による転倒や事故のリスク、また、てんかん発作を起こしている時は、胎児が低酸素状態になる危険がありますので、母胎の体調を安定させることが最優先されます。また、胎児が成長すると母親の体重が増加していきますが、抗てんかん薬によっては体重増加に伴い血中濃度が低くなることで、薬の効果が弱まることもあります。妊娠期間中は主治医の指示に従って薬を服用し、規則正しい生活を送るよう心がけましょう。

5)てんかんが妊娠のしやすさに影響することはありますか?

てんかんや抗てんかん薬は妊娠のためのホルモンに影響する事が知られています。妊娠を希望しても1年以上妊娠しない場合には、ホルモン検査などの不妊検査を受けるのも良いでしょう。不妊の原因として高プロラクチン血症、下垂体性無月経、多囊胞卵巣症候群、高アンドロゲン血症などが見つかることがあります。適切な治療を受ければ妊娠の可能性は高まりますので、産婦人科医と良く相談してください。